日本政策金融公庫の実施事業「国民生活事業」と「中小企業事業」はどのように違う?
日本政策金融公庫は、「一般の金融機関が行う金融を補完すること」を目的として、国の中小企業・小規模事業者などに対して、法律や予算で決められた範囲で金融機能を発揮している政策金融機関です。
ここでは、主の事業である「国民生活事業」と「中小企業事業」について説明します。
【国民生活事業とは】
国民生活事業は、地域の身近な金融機関として、小規模事業者や創業企業の方への事業資金融資のほか、子供の入学資金などを必要とする方への教育資金融資などを行っています。
①融資
・事業を営むほとんどの方が利用可能です。
・新事業を始める方も利用可能。食料品店、工務店など地域に密着した企業からベンチャー企業など新事業のパイオニアとなりえる企業まで、多種多様な小規模事業者が利用可能。
・融資先数は117万先、1先あたりの平均融資残高は1,008万円と小口融資が主体です。
・融資先の約8割が従業者9人以下の小規模事業者であり、個人企業の方も多いです
・無担保融資割合90%超(件数ベース)で、担保に依存しない融資を推進しています。
・また、「国の教育ローン」は年間約9万件の利用となっています。
②経営支援サービス
小規模事業者・創業企業の皆さまが必要とする様々な情報提供などの経営支援サービスを行っています。具体的には、経営に役立つアドバイス(財務診断サービスやSWOT分析など)や、セミナーを全国各地で開催したり、創業サポート(創業計画書の作成に対するアドバイスなど)を実施しています。
【中小企業事業とは】
中小企業事業では、中小企業者の方の事業の振興に必要な資金であって、長期固定金利の事業資金を安定的に供給することにより、民間金融機関による資金供給を補完しています。
①融資
・中小企業向けの長期事業資金をご融資しており、ご融資残高の平均は約1億3,000万円です(短期の運転資金はお取り扱いしておりません)。
・製造業を中心とした幅広い業種の中小企業が利用。
・融資先数6.1万企業、約8割が従業員20人以上、約9割が資本金1,000万円以上です。
・平均融資残高134百万円で、長期資金融資の約8割が期間5年超、すべて返済計画の 立てやすい固定金利となっています。 ②経営支援サービス
中小企業の方が必要とする様々な情報提供やマッチング支援などをおこなっています。
具体的には、経営に役立つアドバイス(財務診断サービスやSWOT分析など)、全国の取引先と店舗網を活かしたネットワークによるビジネスマッチングなどを提供しています。
どちらが事業を利用するか、自社の規模、融資目的などに照らして判断することが重要です。