代表者の資産を開示すると融資審査において有利？

 会社のバランスシート上、負債が資産よりも多い債務超過の状態である場合などで、財務の状況がよろしくない場合、金融機関の融資の審査においてはマイナスイメージです。
 ただし、これを補完するものとして、会社の代表者の個人資産を金融機関に開示すると、融資を受けやすくなるのでしょうか。

【一定の評価をしてくれる可能性はある】

特に小規模の中小企業などの場合は、社長と会社は一体として見ることが多いです。
このため、代表者の個人資産を会社の資産と合算して一体とみなし、全体として、債務超過を解消することが出来るならば、一定のプラスの評価をしてくれる可能性はあります。

例えば、会社は5,000万円の債務超過でも、社長が多くの不動産を保有しており３億の価値があるのであれば、トータルで総合的に判断して融資承認が得られる可能性もあるでしょう。

このように、会社の財務状況が悪化していても、社長部分の資産でカバーできるのであれば、一定の評価をしてもらうことができます。
また、金融機関側が個別の企業に設定している「格付」についても改善し、適用金利も低く抑えられる可能性もあります。

しかし、注意しないといけないのは、その資産はいつなくなるのか、価値が下がるのか分かりません。何かの入用でいつのまにか売却される可能性もあります。余は一時的な安心材料に過ぎません。

重要なのは、事業の財務状態の改善をどのように行うかです。根本的な解決はそこにありますので、本質を見誤らないようにしましょう。