店舗のないネットビジネスでも創業融資は受けられるのか?
起業をする人に最近増えているのが、店舗をもたずにネットで開業する人です。よく気軽に起業できて初期投資も必要ないなどと聞くネット開業ですが、本当に資金を必要とせず、融資を受けなくてもすむのでしょうか。
今回はネットビジネスに必要な資金なども踏まえて、創業融資を受けられるかについて説明していきます。
ネットビジネスに必要な資金
ネットビジネスは資金が必要ないとよく聞きますが、それはどのくらい稼ぎたいのかによって変わってきます。
ネットビジネスをやる環境を整えるのに必要な資金をまとめると
・ドメイン代:年間1,000円程度
・レンタルサーバー代:年間15,000円程度
・デスクトップ、ノートPC代:8〜20万
・スキャナやコピー機:5万くらい
となっており、比較的安価で開業することは可能です。
しかし、人を雇うとすると最低一人につき月20万円程度の人件費がかかります。
商品を販売するのであれば仕入れ代や運転資金、ホームページなどを新たに作成するのであれば平均30万円の作成代金がかかり、自己資金だけでは足りなくなる場合もあります。
融資を受けたいとなったら受けることは可能なのか
結論から言えば受けることは可能です。
ネットビジネスといっても、様々な事業を行うことが可能です。個人寄りだと転売やアフィリエイトなど。法人寄りだとアプリ開発やWEBコンサルなどがあります。
正直どこから融資を受けられるかの線引きを行うことは難しいです。個人でも売上高が優秀な人もいれば、法人で全くお客さんが取れないところもあります。事業で実際に融資を受けることが可能になれば、事業の売上計画や将来性によって判断されることで融資の審査が決まります。
融資を受けるなら何を受けるべきか
融資を受けるとなれば、日本政策金融公庫の融資を真っ先に検討しましょう。
融資を受けるには銀行や信用組合などいくつかの選択肢がありますが、実績がなく初めての事業資金の融資を受けるのであれば、日本政策金融公庫が現実的な選択肢になります。
なぜなら、日本政策金融公庫は実績がなく銀行などから相手にされない方(創業者)を支援するという目的から作られた日本政府の金融機関だからです。
つまり、通常ならほとんど相手にしてくれないネットビジネスにおいても、しっかりと融資を検討してくれる唯一の機関と言うことになります。
無担保・無保証人で受けることができますが、いくつか条件があるので注意しましょう。
まず自分以外に雇用する人がいなくてはなりません。もしくは現在勤めている業種で起業をする必要があります。
そして創業に必要な資金の10分の1は自己資金ではならなくてはいけないと言う要件もあります。
これらを満たしていないとまず受けられないと考えてもらって構いません。
受けられる融資の額は運転資金と設備資金、共に1500万円が上限です。
合わせて3000万円の融資を受けることが可能ですが、実際のところ自己資金の10倍ほどしか受けられません。
また、融資を受ける額は全て用途が明確になっていないといけないため「このくらい必要になりそう」と言う考えで融資を受けることはまず無理です。
必ず何にどのくらい必要で、いくら足りないから融資を受けるのかを明確にした上で融資を検討しましょう。
さらに融資を受ける上で注意をしなくてはならないのは、融資担当者がネットに詳しくないと仮定しなくてはならないことです。
他の形態で起業する場合には、融資を担当する人もイメージがつきやすいですが、ネットビジネスはまだ馴染みが薄いため、相手も知識が少ないことがほとんどです。
そんな中「相手に伝わる」と思い込んで事業計画を説明しても、相手にとっては信頼できる計画と認識してくれません。
必ず実例を交えながら、知識のない人にも信頼して納得してもらえるような事業計画書を作成しましょう。
具体的な数値や根拠を入れることが最も重要なポイントです。
結論として、ネットビジネスでも十分融資を受けることは可能です。事業の内容がしっかりと融資の必要なもので、計画がしっかりとしていれば、融資担当者を納得させることが可能です。
しかし、ネットでの開業だからと甘く考えていてはかなり大きなリスクを伴う可能性も融資にはあります。せっかく計画していたのに、売上計画を適当にしていたから全ての予定が狂うなんてこともあります。どんな形で起業するにしても、必ず具体的で明確に計画をしていきましょう。