日本政策金融公庫の資本性劣後ローンとはどのような融資？

【資本性劣後ローンとは？】
資本性劣後ローンは融資の一形態です。資本性劣後ローンを取り組んだ後に、仮に倒産で返済不能に陥った場合、その他の債務に比べ、返済の順位が後回しになります。
このことから、「資本性劣後ローン」は金融機関における資産査定の上では、自己資本とみなされることが特徴です。

自己資本とみなせると、自己資本比率が改善され、財務面において、金融機関からの融資審査に有利に働くというメリットがあります。また、元本の返済方法は、返済の期限に一括でまとめて返済する形のため、返済負担も軽減されます。

日本政策金融公庫では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている特定の企業に対し、収益力が回復するまでの間、自己資本の増強を目的として、「資本性劣後ローン」を提供しています。

【概要】
＜利用対象＞
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた方で、次のいずれかに当てはまる方が対象です。
①J-Startup（将来性のあるベンチャー企業群）に選定された方、または「中小企業成長支援ファンド」などの中小企業基盤整備機構が出資する投資ファンドから出資を受けた方
②中小企業再生支援協議会の関与のもとで事業の再生を行う方、または「中小企業再生ファンド」などの中小企業基盤整備機構が出資する投資ファンドの関与のもとで事業の再生を行う方
③上記①および②に該当しない方であって、事業計画書を策定し、民間金融機関等による支援を受けられる等の支援体制が構築（原則として、ご融資後概ね1年以内に民間金融機関等からの出資または融資による資金調達が見込まれる場合）されている方。
※民間金融機関等からの協調支援を希望しない場合は、認定経営革新等支援機関の支援を受けて事業計画を策定する方が対象

＜融資限度・期間＞
・中小企業：　10億円　小規模事業者：7,200万円
・期間は、5年1ヵ月、7年、10年、15年、20年のいずれかから選択。期限一括返済で、毎月利息が発生します。 ＜利率＞
 融資後3年間は0.50％です。融資後3年経過後は、直近決算の業績に応じて、毎年利率が変動します。 ＜担保・保証人＞
無担保・無保証人

なお、日本政策金融公庫の資本性劣後ローンは、原則として融資後5年間は繰り上げ返済不可となりますのでご留意ください。